成年後見について

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成年後見制度の種類

成年後見制度には任意後見制度と法定後見制度があります。それぞれ、後見制度の始まる契機などが異なっています。以下、簡単に違いをあげておきましょう。

 

@任意後見制度は高齢等による判断能力が失われていないときに、将来判断能力を失った場合のためのものです。ですから体が不自由になっても判断能力があるうちは任意後見が始めることはありません。一方、法定後見制度は判断能力を失った場合に、親族等の申立により家庭裁判所が後見人を選任する制度です。

A任意後見は後見人となるものとの後見契約をすることで発効します。よく誤解があるのですが、任意後見人は介護のような作業はいたしません。また、後見契約をすると自分のお金を自由に使えないと思われる方もいますが、判断能力があるうちは財産上の処分権限は失うことはありません。任意後見は判断能力を失ったときに効果を発生し、判断能力がある段階での意思に基づき、公共料金の支払い・家賃の支払い・預金の管理などを行うのです。(別途財産管理契約を結ぶのが普通です)

B任意後見制度では、通常見守り契約など、本人が希望したり、契約上明記された事務や代理行為を行います。そして、法律行為の同意権や取消権はありません。一方、法定後見制度では家庭裁判所が決定した後見・保佐・補助の型により行える業務が異なってきます。後見人が最も広い範囲で代理権や同意権などを持つことができます。

 

以上のようなことから、通常各事務所がいう、成年後見は、法定後見制度ではなく任意後見制度に関するものですので、以下、任意後見制度について補足的にお話します。 

 

任意後見制度に適するかどうか

当事務所では、任意後見を引き受ける際に、簡単にご本人の判断能力を確認するため次のような質問をしています。(一例です)

a0002_001075.jpg@1007はいくつですか?

A今日は何月何日かわかりますか?

B預金はどこの銀行(郵貯銀行も含む)にいくらぐらいありますか?           C所有している不動産はどこですか?

D預金通帳や権利書はどこにしまっているかわかりますか?

Eお子さんはどこに住んでいますか?

F現在、財産の管理は誰がしていますか?

そのうえで、現在心配なことや、どうしてほしいかを聞かせていただいています。認知症などのため判断能力に疑いがある場合には任意後見契約はできませんので、その場合、主治医の診察・鑑定を求める必要があります。

 

任意後見人を誰に頼むか

専門家に依頼するのかそれとも親族に依頼するのかをまず決めてください。専門家以外に依頼する場合には以下のようなことを確認してください。専門家でもCDEは重要な要素になります。

@任意後見制度について理解しているか。

A家族・配偶者の反対がないか、また、他の親族の了解を得られるか。

B多額の借金があったり、会社をリストラされたりしていないか

C遠隔地に住んでいたり仕事が忙しく、容易に面会も出来ないようなことはないか。

D年齢が近すぎないか(出来れば一回り以上離れているといいです)

E報酬について合意できるか。

 

後見人に何を頼むのか

上記のように、任意後見人に依頼できるのは財産管理と身上監護(いわゆる見守り)ですが、具体的に何を頼むかは任意後見契約書に記載しておきましょう。具体的にどのようなことを頼むかについては、当事務所では次のようなことを提案しております。

@妻や子供に法定後見の申立をする権限を付与する

これは、妻や子供が判断能力を欠いている場合、現在は法定後見の申立を行わず、自分(=依頼人)が面倒をみている場合があります。このような場合、自分の判断能力が低下したときに、妻や子に法定後見人の選任申立をする必要がうまれてきます。そればかりでなく、依頼人が亡くなった時には遺産分割協議も当該妻子に法定後見人がついていなければなりません。とくに老老介護をするような、老人だけの世帯では、妻もしくは夫の介護をしているほうが判断能力を失うと、さまざまな悲劇の原因にもなります。

A配偶者ばかりでなく、兄弟姉妹に身寄りがなく自身が法定相続人になる可能性のある方は、遺産分割協議や遺留分減殺請求の代理権を入れておくこともお勧めしています。依頼人ご自身の判断能力低下に乗じた不利な遺産分割を避けるためです。

Bもし、身寄りがないもしくは実家の兄弟姉妹・親戚と縁を切っているため自分の面倒を見てもらえないなどの事情があるときには、亡くなった後の医療費・介護費・未払い公共料金の支払い、遺品処分、役所への手続、葬儀・埋葬方法・供養などを特約事項とされるとよろしいと思います。もっとも、遺言書を通じて遺言執行人に同様の指図をすることも可能です。また、併せて見守り契約(週1回必ずメールや電話で安否確認をしたり、実際に住まいを訪問するサービス)などを締結されておくといいと思います。

 

任意後見人に騙されないですか

いままで書いたように、任意後見は依頼人の判断能力が衰えない限り後見契約が始まりません。ですから、判断能力があるうちは財産の管理・処分は従来と何ら変わることはないのです。依頼人の判断能力の低下がみられる場合には家庭裁判所に「後見監督人」の選任をお願いし、その選任とともに後見業務がスタートするので、任意後見契約を結んだからといって、勝手に依頼人の財産を動かすことはできないようになっていますからご安心ください。

 

費用はどのくらいかかるのか

法定後見人・後見監督人に関しては裁判所が決定します。弁護士会が行っている高齢者・障害者成年後見センター「しんらい」では財産管理手数料が月額105,000円以下、財産調査費用210,000円以下となっています。(2011/06/07現在)

別段、価格競争をするつもりはありませんが、当事務所では毎週の見守り費用が月額10,000円、財産管理手数料が月額10,000円〜60,000円(管理する額によりますが、通常は10,000円〜20,000円の範囲で済みます)の合計20,000円〜70,000円を費用とさせていただいております。財産調査費用は自宅以外の不動産がない場合には50,000円です。また、初期費用として、契約書の作成料20,000円のほか、印紙代並びに公正証書作成費用が発生します。

 

決める前に・・・

成年後見は後見人となる人との信頼関係が第一です。当事務所は、特別な事情のない限り、はじめてお目にかかってすぐに後見を引き受けるようなことはしておりません。ご要望をうかがい、こちらが出来ることをきちんとご説明させていただいてからになります。依頼人の私に対する信頼ももちろんですが、私自身の依頼人への信頼感も大切であると思うからです。

 

ご相談はご自宅に伺います

最初は電話・ファックス等での相談になりますが、これは無料です。それ以降、ほとんどの事務所は、依頼人が事務所にきて相談しますが、後見の場合にはご高齢の方も多く、天候によっては外出も苦になりますので、できるだけ当職がご自宅にうかがうようにいたします。相談料は1.5時間まで10,000円です(後見の相談は、時間がかかりますので、時間を長めに設定してあります)また、市内で自転車で行ける範囲は出張費不要です。

 

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